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2022.11.14
キャンパスライフ
未来社会学科
荒木ゼミ フィールドワーク報告
11月12日(土)に荒木ゼミ3.4年生のゼミ生全員で、岡山県にあるハンセン病の国立療養所「長島愛生園」にフィールドワークに行ってきました。
ハンセン病は「らい菌」という細菌がおこす慢性の感染症です。病名はらい菌を発見した医師アルマヴェル・ハンセンの名前に由来します。当時ハンセン病は感染症ということはわかっていましたが有効な治療法がなかったため、国の政策として療養所への隔離が行なわれました。特効薬もでき、完全に治癒させることができるようになりましたが、隔離政策は1996(平成8)年の「らい予防法」廃止まで続きました。
現在、日本にはハンセン病患者はいません。しかし今も療養所で生活している人たちがいます。それは差別と偏見という社会の目が影響しています。今回、荒木ゼミでは、このような現在にも無知が起こす差別と偏見による人権侵害を学んできました。
このような歴史に触れたゼミ生たちの感想は以下の通りです。
- ハンセン病への偏見や差別が生まれその人自身だけでなく、その家族もいじめや批判の対象になるから当時はすごく生きづらかったのかなと思う。
- 特に印象に残ったことはハンセン病にかかり今は回復している人が社会へでていく際に自分の過去を隠して嘘をついて生活を送っていかなければならない現状です。差別や偏見は昔からあるものなんだなと強く感じました。差別や偏見を社会の中でゼロにすることは難しいことですが少しでも多くの人が差別・偏見を持たないようにしようと意識を持ちそれぞれの人が幸せに暮らせる空間にしていくべきだと思いました。
- 今の私達が当時の方の気持ちを完全に汲み取ることは難しいことですが、今日少しでもその歴史を知り考えた時間は、私達にとってとても意味ある瞬間であったと思います。
私達の世代はコロナウイルスと重なり辛いものではありましたが、それでもまだどうにかする手段がありました。このハンセン病も理解があれば、考えが至っていれば救われる道、隔離など必要のない選択があったはずです。私にできることはちっぽけなものかもしれませんが、それでもこれから生きていく者として「あってはいけない現実」を未来で認めるのではなく、その時、その瞬間に気づけるよう自分の信じるもの、思いやる心を持って進んでいこうと強く思いました。 - ハンセン病について本やインターネットで知っているつもりではいたが、実際に現地へ行って話を聞くとその時の偏見や差別の大きさを強く感じた。効果のある薬ができて病気としては昔に治っているにも関わらず、2000年代以降も差別が続いていることを知った。感染症は怖いというイメージがあり、病気になった方達やその家族は沢山の偏見の中で生きなくてはならない。病気をうつされたくないという自分の恐怖心や心の弱さを理由に、人の生きる権利を奪うということはあってはならないと思う。